先日、孫が半袖のTシャツ1枚で、学校に行こうとするので、
「今日は、寒いぜよ。上に何ぞ着て行きや?」言うたら、
彼は、「冷(ひや)いことはないき。」
歳のせいか、朝は、未だに寒さを感じることがあるだが、思えば自分も
子供ころ厚着するるのは、いやだった。だから、彼にも無理着せせずに行かせた。
昼頃まで、「大丈夫だろうか、」とかなり心配だった。
昼休みに外に出てみた。暑かった。ほっとした。無理強いしなくてよかった。
遅霜の、寒い朝のこと、
身長は155センチ位で、無精ひげを生やし、あごを少し突き出して、
下唇が上唇を飲み込んだような顔をした、小柄な割に、少々態度のデカい
お客さんがやってきた。
デカい目をして、怖い顔で今にも食って掛かかってきそうに睨みつけながら、
「この薬を出してくれ!」
「Aクスリ0.5ミリ2錠」を、1回分として、「寝る前服用2週間分」の処方だった。
毎夕、必ず2錠宛服用するのだ、ということだったので、
「0.5ミリ2錠より、1ミリ1錠のほうが飲みやすくないですか?」
「医者も、同じことを言いよったけんど、1ミリは副作用があるきイヤなんじゃ。」
当方としては、変わりないと思うのだが、ご本人いたって真剣に、
「医者も、そう言うた。けんど、胃には、1ミリのほうが負担がかかる。
わしは、両方をハンマーで割ってみた。ほんなら、1ミリのほうが硬かった。」
1ミリが割れ難かったので、胃の中でも溶けにくい、そうな・・・。
一瞬、頭をかかえてしまった。
ご希望の通り”0.5ミリx2錠”お渡しした。
次の来店時には、何故か「1ミリx1錠」だった。
風体は、前回同様で、怖かった。
何も聞かなかった。
処方どおり、1x1で調剤したが、不満も何も言わなかった。
拍子抜けした。
バイクにまたがって帰って行った。
以上、フィクションである。
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