2018年6月10日天気いまいち、その現場は、四国カルスト大野ヶ原。
雨が降ったり止んだり、ついでに霧も流れたりとおよそ快適とはいえぬ
寒いひとりドライブ中のこと、事前通知なく突然にドラマが始まった。
せめて、BGM「さすらいの口笛」くらいは流れていてほしかった。
信号もない山道で、突然左右確認もせず何かが法定速度で真面目に走り
ゆう我が愛車の直前を横切った。無意識のブレーキで自分が飛びそうにな
ったけんど、ハンドルにしがみついて吹っ飛びはなんとか回避した。犯人は、
たぬき?かと思うた。”もう逃げちゅうろう”思うて、「何じゃあ、このー!」
と、怒鳴ろうとしたら道の横で怖い顔してこちらを睨みよった。「ごめんよ
。」手を上げて詫た。けんど、彼は、怖い顔してさらに睨み返してきた。
怖かった。彼は、たぬきじゃのおて鼻が長いアナグマじゃった。
アナグマのクリント・イーストウッドの視線の先は、おれではなくずっと
左手のいつの間にか現れていたリー・ヴァン・クリーフよろしく幾多の修羅
場をとりあえず生き抜いてきたらしい保安官きどりの猫が、毅然と彼を睨み
つけていた。
この写真の左手前にリー・ヴァン・クリーフそして右奥にクリント・イーストウッド
まさに、決闘直前の息を飲む、もっとも長い緊張のとき、
監督としては、この間合の調整が非常にむずかしい。
いよいよ臨戦態勢頂点・・・。
観戦者に追いやられた俺がしびれを切らして一瞬戦いから目をそらした。
ほんの、まばたき一瞬のこと・・・
あれ、アナグマ君がいない。見ると、クリント・イーストウッドは、
敵に背を向けて山の繁みにすごすごと消えていった。
なんじゃこりゃ、
入場料を返してほしい。
尚、登場人物名は、実在の人物とは、全くの無関係です。
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