2018年6月23日土曜日

雨のち晴れ



梅雨の最中である。本日は、フィクションです。

事務所前に小綺麗なバス停がある。
病院前で、日当たり良く公園風で日向ぼっこを兼ねて、
利用者もお年寄り中心に多い。

今日も、暇をもて遊びつつ、ちらっと視線は自然バス停。
川上さん(仮称)がいる。
彼は、女性なら老いも若きも問わず誰にでも気軽に声を掛ける。
そして、誰とでも明るく談笑できる。
若い頃のナンパ癖の延長?

この日も、ベンチの50歳代と思われる女性に声をかけた。
が、どうもいつもと様子が違う。彼女が反応した気配がない。
彼は、めげず二度三度声をかけていた。
彼女は、振り向かずベンチの端にスーッと移動した。

むろん、その後、彼が彼女に迫らなかったことは言うまでもない。
ばかりか、他の女性にも声をかけることは無かった。
その不機嫌さは、遠目にも痛い。

バス停に、彼だけ残った。
相変わらず仏頂面である。
「機嫌はええかよ?」
「いかんがや、もう長うないかもしれんぜよ。食も細ったし、
酒も呑めんなった。」

余計なことだが暇だからご機嫌直しに、


「あの女性は、外国の人じゃき、話が通じんかったろう。」
急に生気が戻った。
「仕事が終わったら、飯を食いに行かんかや?」

明日は、晴れ?

本日は、フィクションです。

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