2021年12月8日水曜日

カミがいない

カミがいない(フィクションです)

しばらくご無沙汰致しておりました
再会は、例によって「カミ」に纏るお話から、

                           ー四国カルストよりー
  昨日のこと、やや遅刻気味なれど生理現象放置はなお辛い 
  峠の個室を利用することにした
         

  個室は、2個で最初に選んだ部屋には予備はもちろんカミがカケラもない

  当然ながらすぐに別室に変更、そこには潤沢ではないにしろ独り身には十分すぎるカミ    がいた

  10分ほどで満足、次のステップ、とその時
  隣室の戸が開いた。客が飛び込んだ
 

 その客は、相当にテンパっていたと見え、入室バタン快音、が間髪ない連続

  どうするんだろう、

  カミをバトンタッチしてやろうかな、とかいらぬおせっかいかなとか・・・

 「クソッ」、「ザー」、「バタン」 続いて手を洗う音がして表のドアがバタン

 彼の気配がなくなるまで出られなかった。遅刻だった。


 

 

2021年7月3日土曜日

先客


梅雨である。
峠を少し超えたところで瀟洒なトイレに入った。


個室のドアを開くと好みの和風である。


長雨のせいで床は濡れている。
掃除を済ませた直後のようで気持ちが良い。
ドアを閉じて、ふっと気配あり。
部屋の隅にアマガエルが身を潜めて新たな侵入者を
十分すぎる臨戦態勢で睨んでいる。


肌を晒した無防備状態で後方から攻められる恐怖に怯える。

甘んじて先客に権利を譲ることにした。


何故かこの日は一日中不愉快であった。

帰りに再挑戦もまたもやその目を剥く強いガン見に抵抗できなかった。