2014年9月5日金曜日

近道


今年の夏休みは、晴天不足で子ども泣かせだった。

子どもだけではなく主婦にとっても厳しい夏。
近所のスーパーへ出入りすること、少なくない主夫たるわが身も
野菜の思わぬ高騰には、いささか参っている。

今回の写真は、夏休みが始まってまもなく”そろそろ一雨欲しい・・・”
の真夏らしかったころの佐田岬行。

この写真は、次の話で老人が勧めてくれた高知への最短コース。

高知県美術展応募のための取材を兼ねて、
早朝より、佐田岬へ。
この日暑さには尋常でなく、車を離れるのが怖くて
結局のところ昼過ぎまで走るばかり。気合が入らん。あっさり諦めて
帰路についた。しかも、できるだけ近道を選択して帰ることにした。

老夫婦らしい二人に出会った。
なにかやってるらしかった。
「なにしゆうがよ?」
「メダカの水をかえゆうがよ。」
メダカには拍子抜けしたが、ええ顔した老人たちだったので、
ちょい、と撮らしてもろうた。
「兄さん,どこへ行きゆうがよ?」
「そこの向こうの近道を通って高知へいぬるつもりよ。」
「もっと近道を教えちゃおうか?」

習ったばかりの近道、不安ながらも折角だからご案内のとおりに走ってみよう。

「峠の一軒家」

山越えの最短?の近道を、
どんどん狭くなっていく「近道」を奥へ奥へと、
引き返した方が無難かもしれん・・・とは、思いつつ・・・

人家があった。人もいた。
安心のために、道を尋ねてみた。
そこを、左に・・・丁寧に教えてくれた。
正しかった。一安心。
この道も、どんどん山の奥へ、奥へと案内してくれる。
このころになると、「はじめの予定通りに走ればよかった・・・」
あのままだったら、多分もう帰り着いたころだろうに、またまた不安になった。

しかし、やがて下り坂になってきた。ほっとする。
道も、舗装になった。ナビにも、道ができた。
老人たちと別れて、2時間くらいでやっとのことで、広い道にでた。
よかった。
ところがこの場所、2時間前に老人たちと別れたところだった。

この話、ノンフィクションであります。

最初の、予定通りの道を走って帰りました。

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